
竹藪の斜面を登ると、まるで秘密基地のような「いまここ畑」の拠点があります。そこでは子供たちが遊ぶ様子を近くにいる大人が見守りながら、お昼の準備がはじまっていました。子供たちは心赴くままにのびのびと遊び楽しそう。でも大人のほうがなんだかとっても楽しそうな様子。伺ったのは、取手市で「いまここ畑」という畑を中心としたコミュニティ活動を行っている人たち。
「いまここ畑」は、綱島政広さん・綾子さんと宮本光司さんが運営するコミュニティです。自然農や大地の再生的な学びを通して一期一会の場を開く活動をしています。始めたのは、コロナ禍で自粛が促されていた時期でした。大人も子供も安心して過ごせる場を何とか作り守りたいという想いがあったといいます。


活動は月に一度、春の種まきやマコモの田植えから始まり、じゃがいも堀りや味噌作り、流しそうめん、餅つきなど様々な活動があります。自然農や里山整備に詳しい小松学さんとの出会いがあり、小松さんを講師として迎え、活動の参加者たちと学びを共有しています。
「みんなで顔を合わせて、みんなで同じ方向を向いて、作業したりご飯を食べたり。とても幸せを感じる。まずは大人たちが楽しめる場所を作り、自分たちも楽しんで、大人の笑っている姿を子供が見る、そんな風に農と関わる1年をみんなで味わえたら」と綾子さん。
地域の人たちから祭りに参加してよ、と言ってもらえるほど地域の人たちとの交流も盛んです。活動を始めた当初から挨拶をしてまわったり、地域のゴミ拾い、耕作放棄地の利用など、信頼関係を作るための努力もしてきました。地元でもある宮本さんが交流のきっかけを作ってくれました。


伺ったときは活動をはじめて3年が経ち、新たな変化を迎えようとしているときでした。「今ここ、今この場所、今この時を生きることに、この大地と畑を通して勇気を育む場所となりたい」という想いから「いまここ畑」とコミュニティ名を新たにし、非公開だったグループから公開グループを新設しました。楽ではないこともありました。その度に何度も話し合いを重ね形を変えながらもこの場を続けてきたと言います。


「それでも続けてこれたのは、思い浮かぶ人たちの顔と共にこの仲間とやっていきたいという思いから。利他的な思いでいつも軽やかに動くつな父ちゃん(政広さん)やコージーさん(宮本さん)〝全ての営みは十全〟と自然からのメッセージを伝えてくれる学ちゃん(小松学さん)に背中を押されながらもたくさん支えてもらって今があります」。
そして、畑を始めた参加者も多く「きっかけになってくれるのは嬉しい。いろんな場があっていい」と話す綾子さん。「いまここ畑」に参加している人はみんな自然体で居心地がよさそうでした。
いまここ畑
畑からつながるコミュニティ
茨城県取手市下高井
MAIL:hatakekaracommunity@gmail.com
Facebook:いまここ畑 畑からつながるコミュニティ
Instagram:imacocobatake
活動日など情報はFacebookやInstagramから
文・写真 山野井咲里
写真提供 いまここ畑