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NPO法人
八郷・かや屋根
みんなの広場

─茅葺き屋根と自然農が結ぶ、里山の未来―

茨城県石岡市の八郷地区、筑波山のふもとに佇む一軒の茅葺き古民家。そこには、昔ながらの風景を守りながら、今を生きる人々と未来の暮らしをつなぐ「場」がありました。

かや屋根がつなぐ、人と人・人と自然

今回の八郷・かや屋根座談会の舞台となったのは、かつて養蚕業が盛んだったという旧家・茅葺き屋根の家。築100年ほどともいわれるその家屋は、地元の人々の手によって丁寧に手入れされ、今ではNPO法人「八郷・かや屋根みんなの広場」の活動拠点となっています。

中に入ると、奥には囲炉裏。まるで時が止まったかのような空間に、訪れる人の表情もどこか和らぎます。

代表の山田さんは「便利さと引き換えに忘れられた日本の暮らしの知恵や美しさを、未来に手渡していくことが、この場所の使命」だと話します。

自然とともに生きる農業支援活動

この場所では、単なる古民家保存にとどまらず、周囲の里山と共生した農業体験も盛んに行われています。主に支援しているのは「やまだ農園」という自然農法の農家。春には田植え、夏には草取り、秋には稲刈り、冬には落ち葉かき―四季を通して、自然と向き合いながら農業の基本を体験できます。

イベントで広がる地域の輪

茅葺き屋根の古民家では、地域の食文化や手仕事を紹介するイベントも開催されています。味噌づくり、しめ縄づくり、古民家カフェ、音楽ライブまで、その内容は多彩です。地元のお年寄りから移住者、学生まで、さまざまな世代の人々が垣根なく集う場所となってます。

茨城県石岡市小見972
MAIL:yasato.kayayane@gmail.com

文 岡崎靖
写真提供 NPO法人八郷・かや屋根みんなの広場